こんにちは、ヤマサキです。
『はじめての資金調達』シリーズ第5回は、NPO経営には避けて通れない「助成金」申請についての秘訣をお伝えします!

審査員を納得させる申請書3つのコツとは?
その①団体のミッションと申請事業の整合性
助成元の審査員は、申請団体のウェブサイトは必ずチェックする!という話を、前回お伝えしました。
それはなぜかというと、その団体の「実際の」運営状況を確認するためというのがひとつ。
そしてもうひとつの理由は、団体のビジョンやミッションなどの社会的意義を確認するためです。
団体ウェブサイトには大抵、その団体の設立の経緯やビジョン・ミッションのページがありますよね。
そのビジョン=どういう社会を目指しているのか
そのミッション=そのために自分たちがやるべきことは何なのか
というところを言語化し、メッセージとして発信していることをここでは前提として
(発信してないところは、まず発信しましょう!)
助成金申請にあたってのポイントは、今回申請する事業が、そのビジョンやミッションと整合性が取れているかどうかです。

たとえば、
『女性がライフステージの変化に沿って柔軟に働き方を進化させていける社会』というビジョンを持ち、
『そのための産休・育休中女性のキャリアアップ』をミッションとする団体があったとしますね。
そして、今回の申請事業が『多世代交流の食事系イベント』だったとします。
そうすると、
いろいろ要素を洗い出して、そのうえ抽象化していけば両者はつながるかもしれないですが(孤育てにならないよう地域全体で子育てをしようとか?)
ロジックに少し飛躍があります。
審査員に理解してもらおうとすれば、かなりていねいな説明が必要になりますよね。
というわけで、まずビジョン。そのためのミッション。ミッションのあらわれのひとつとしての事業。
・・・というようにシンプルなロジックになっているかを確認しましょう♪
その②申請事業と助成プログラムとの整合性
助成元によって、今回はどんな目的で『助成プログラム』を作ったのか、その経緯がちゃんとあるはずです。
そう、つまり助成元にも同じようにビジョンとミッションがあり、そして今回の助成プログラムの位置づけがあるわけなんです。
そこを理解すれば、助成元と助成団体は上下関係ではなく
助成元にとって助成団体は、自分たちのビジョンを一緒に叶えていく協働パートナーになりますよね。
そして、そこまで自分たちのことを理解しようとして構成してくれた申請書には
「それはぜひ!!助成させてほしい!!」ってなりますよね(笑)
コツは、助成元を、組織としてではなくて人として見ることです。そして、申請書作成段階から、人と人とのコミュニケーションを取ることです。
助成金説明会でも『助成元のやりたいことを理解する』という視点でいろいろ質問してみると、担当者が感動してくれることがありますよ。

その③読みやすさは思いやり。
さきほど、シンプルでわかりやすいロジックで申請書を構成しましょう、というお話をしました。
その他にも、『事業のタイトル』ひとつとっても、
それを読めばどんな事業をやるのか一目でわかるような内容にしたりすることも、読みやすさに配慮する工夫になります。
たとえば、
A:かがやく女性応援プロジェクト
=抽象的でどんな事業なのか全くわかりません。形容詞はなるべく使わないようにするのが基本です。
B:40代女性の心身の悩みに気づきを与える朝活読書会
=読んだだけで、何をやるのか大体わかります。
実際に告知する段になってからは、講座のタイトルとかキャッチコピーは練りに練るほどいいと思いますが
何十何百も申請書をチェックする審査員のことを考えると、事業名をキャッチコピー風にするのはやめたほうがいいです。
他にも、申請書内に専門用語を使ってないか、そもそも日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかなど
一度、外部の方に読んでもらうことを強くおすすめします。
専門家じゃなくても、社会経験のある方なら誰でもいいと思いますよ^^

・・・ということで、
『はじめての資金調達』シリーズ第5回は、NPO経営には避けて通れない「助成金」申請についての秘訣をお伝えしました。
11月は助成金募集が多くなるシーズン。
ぜひ今回のブログも生かして、獲得率を高めていってくださいね♪
山崎梨紗
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