
NPO法人の「目的」で認証が下りない??
最近受けた相談で、設立の認証がなかなか下りないっていうのがありました。
で、所轄庁からの返答をくわしく見てみると、定款の「目的」がひっかかってるんですね
確かにその法人さん、目的が法令違反だったのです。
個人的な感覚としては、NPO法人を立ち上げようとしてる方って、けっこう感覚優位な方が多いように思います。
「想い」はすっごく強くて、共感力も強くて、情熱もあるから立上げ、ゼロをイチにするという偉業を成し遂げられる。
あとはすごくカラフルなビジョンを持つ方も多くて、
お話を聴いてると、そのビジョンが実現した社会が、視覚イメージとして目の前に広がるくらいです。
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温泉街で、古いお寺を開放して、
旅行に来たファミリーの子どもたちを集めて、
小学校低学年くらいの子どもたちがお堂でゴロゴロ昼寝してて~
素足でいるのがきもちいい!
昼寝したら裏の竹やぶにみんなでいこう!
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・・・みたいな。(フィクションです)
夢を実現させるために最低限必要なことはコレだけど。
それでね、これはいろんな成功哲学の本にも書いてあるんですが
夢を実現させたいとき、何か目標を叶えたいときとかって
その夢や目標が叶っているときの自分や周りの姿を、どれだけありありとカラフルにイメージできるかにかかっているのですよ。
あと、そのイメージにわくわくできるか。
イメージした時点で、あ、これはあんまりおもしろくなさそうだなって自分が思ってしまうと、もうエネルギーって湧いてこないですもんね。
余談ですが、私も司法書士試験受験中は、
「こんな服を着てこんな髪形をして、こんな事務所でこんなセリフを言っている自分」
っていうイメージがものすごくハッキリありました。
で、それってけっこう、今の私に近いな~と思います(髪型は置いといて笑)。
わくわくするビジョンをカタチにする能力とは?
話がドンドンそれてしまいました。
つまりですね、お伝えしたかったのは、
せっかくすごくワクワクするビジョンを描けていても、
そのワクワクを再現できるような文章力、論理的思考がないと・・・惜しい!!!
ってことなんです。
NPO法人の定款の目的って、こういう風に書いてねって言われてます。
『この法人は、[ ① ]に対して、[ ② ]に関する事業を行い、[ ③ ]に寄与することを目的とする。』
で、一方で、起業の本などでは新規ビジネスを立ち上げる時にはまず
「ビジョン・事業・顧客」を明確にすることと言われます。
あれ・・・・・・?
NPO法人の定款の目的って
『この法人は、[ ① こんな顧客]に対して、[ ②こんなこと(事業) ]に関する事業を行い、[ ③ こんな社会(ビジョン)]に寄与することを目的とする。』
あれ・・・・・・?
一緒じゃない・・?
と、ヤマサキは気づいたわけです。

要は、国も、
いくら非営利といえども法人という事業主体なのだから、
絵空事的なビジョンを描くだけではなく、
きちんとビジョンを叶える事業を立案して、ターゲットとなる顧客に向けてサービスを展開してね。
そこらへんはロジカルによろしく頼むよ!
でないとすぐ回らなくなるよ!!
・・・と言っているんですね。(たぶん)
つまり、両極端の能力が必要なんです。
というわけで、非営利事業をやるには
強い想いとロジック、どちらも必要です。
NPO法制定20年立ちますが
まだまだモデルケースといえるほどに上手く回っている法人さんは、ごく一部です。
でもその理由は、非営利法人の経営がものすごく難度が高いからではなく、
ただ、誰もやり方がわからずに無我夢中に走ってきたからなんだと思います。
そろそろNPO業界も転換期。
先人たちの知恵を学び、ヘンなところは反面教師にして、
しなやかに強いNPO経営を一緒に実践していきましょうね♪
そして今回、
行政の人、ほんとちゃんと仕事してるな~えらいな~と思いましたよ。笑
それでは、また!
山崎 梨紗
2019年7月発売の著書
『上手くいくNPOは定款でビジョンを語る!』
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