今更きけないNPOの基礎

NPOが法人登記しなかったらどうなるの?

「所轄庁への毎年の報告はまだしも,登記って面倒だな〜」

「ついつい後回ししちゃうんだよね〜」

私の周りの法人さんからも,そんな声を多く聴きます。

たとえば代表理事が引越しをして,事務所が変更になった場合の手続きは,

まず所轄庁に定款変更申請を提出→

所轄庁から認証が下りたら法務局に登記→

登記が完了したら登記完了届を所轄庁に提出→やっとFinish!

・・・というような流れを辿ります。

提出先も別々なので,

区役所にも行かなきゃいけない,法務局にもいけない,しかもどっちも平日しか空いてない!ため,

お勤めと兼業されている方にとっては本当に大変ですよね。

ただ,NPO法人はとっても優遇されている点もあるんです。

NPO法人は登記が無料!

NPO法人は,登録免許税(登記にかかる税金)が無料です。

株式会社や一般社団法人などは,一回役員変更登記するごとに1〜3万円かかるので,これは大きな優遇措置ですよね。

ではなぜNPO法人が優遇されているかというと,

それはNPO法人が『公益のために存在する法人で,社会のための事業を行っているため』なんです。

だから設立時も設立後も「ほんとにこの団体を優遇し続けていいのだろうか?」と,常に所轄庁の監督下におかれているんですね。

登記を最新の状態にしておくのは何のため?

NPO法人は,所轄庁とは異なる目線からもチェックを受けることがあります。

・大口の寄付をしようとする方

・協働相手を探している行政や企業

・融資先の金融機関

・・・などの方々は,必ず取引前に法人登記簿をチェックします。
(ちなみに定款や計算書類も必ず見られます^^)

で,その時に登記の状態が古い状態(見る人が見ればわかります)だったらどうでしょう??

信頼はガタ落ち!!

やるべきことをやっていない団体だと見られてしまう恐れが,充分にありますよね。

また,実際的なデメリットとしても

するべき登記をしていないことについての過料(罰金)が役員(理事・監事)にもかかってきてしまいます。

というわけで,けして脅しているわけではないんですが,

NPO法人である限り,登記はしてくださいね♪

「面倒くさい・・・」

「なぜ役員が変わらないのに2年ごとに登記しなければいけないんだ・・・」

とは思わずに,

「私たちはやるべきことをやっている,ちゃんとした団体なんだ!」

というアピールの機会だと捉えて,前向きに取り組んでくださいね♪

胸を張って活動していきましょう♪
 
 
 

「そういえば役員変更登記していなかった・・」

「というか設立以来,登記というものを忘れていた・・」

「代表者が病気で入院してるけど,勝手に代表者名で登記していいのだろうか・・」

などなど,イレギュラーな状態であればぜひご相談くださいね♪

山崎梨紗

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