今もう一度考えよう、ビジョンの大切さ。
NPOにとってビジョンはとても大切なものです。
NPO自体がそもそも、何か地域で解決したいこと、現在の社会に足りていないことという「テーマ」をもとに立ち上げられていると思いますので
もしかすると、その目指すところ・理想形は
自明のこととして、立ち上げメンバーの間には共有されているかもしれません。
しかし、その組織を持続可能なものにしていくためには、支援者を増やしたり、協力者のネットワークを広げたり、コアメンバーを育てていったりと様々な進化を行うことが不可欠です。
『社会価値創造のビジョンラボ』では、そのために必要なものはビジョンだと考えています。
内部強化と外部への発信力を同時に育てる。
まずは団体内部の話をしましょう。
通常、そのNPO自体や活動に誰よりも思いが強いのは代表や、立ち上げメンバーです。
立ち上げという大きなエネルギーのかかる行為を達成するために、集中的な準備の時間を持ったことと思います。
そしてそのプロセスを経る中で、立ち上げメンバーの中ではビジョン(その目指すところや理想形)やミッション(使命)が共有されることが少なくありません。
(そこを共有しているからこそ、立ち上げのときが最も勢いがあるのかもしれませんね。)
しかし、立ち上げのときを過ぎ、団体存続・成長のためメンバーの新陳代謝が行われるようになると、ビジョンの共有度合いはどんどん薄くなっていってしまいます。
私は、新しく入ったメンバーにしっかりとビジョンを共有するプロセスを怠ったせいで、存続の危機に陥ってしまった団体さんを数多く見てきました。
ビジョンはパンフレットに書いたりHPに載せるために作るものではありません。
普段の活動でことあるごとに立ち戻り、みんなで確認しあうコミュニケーションツールや、経営判断の軸となるのがビジョンの大切な役割だと感じています。

次に外部に向けての話です。
たとえば寄付や会費。そして助成金や事業収入。
NPOが活動をするための資金源は、いずれも「応援したい」という気持ちを乗せて入ってくるという性質があります。
ですがその資金を使って団体が何をするのか?どこを目指しているのか?
その『旗印』がないままだと、応援の気持ちも生まれてきません。
「応援してよ!仲間になってよ!」
「いいよ、でも何をするための仲間なの?」
という疑問が生まれるのは当たり前だと思うかもしれませんが、
実際の資金調達や情報発信のシーンになると、ここが抜け落ちてしまいがちだと感じます。
「こんなに社会のため、誰かのためにいいことをやってるんだから、言わなくても伝わるはずでしょ。わかってよ。」
という気持ちもわからなくはありませんが、
ここでもやはり『旗印』や『コミュニケーションツール』となるビジョンが必要になってくるのですね。
ビジョンの可能性は無限大。
さて、これまで内部と外部にわけてビジョンの必要性・役割についてお話してきましたが
理想の形としては、
内部も外部もなく、関わるみんながビジョンのもとで一つのコミュニティのような形になる組織をめざしたいと考えています。
私自身も自分の現場を持っており、まだまだ実践の途中ですので、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。
ビジョンについては、ひとまず2019年夏までの知見をまとめた書籍を出しましたので、よかったらお手に取ってみてくださいね。

最新のビジョンづくりノウハウ
そしてその後に得たノウハウにつきましては、
(STEP1に『良いビジョン』のチェックポイント付き)
ビジョンはファンドレイジングの土台にもなるものですので、ぜひこちらも併せて学んでみてくださいね!(無料です)
ではまた、ノウハウが溜まり次第アップデートしにきます^^
山崎 梨紗